チェインメイルの画像

 鎧形式の防具の一種。帷子(かたびら)とは、肌着として使われる麻製の単衣のことであり、鎖製の帷子の意味。衣服の下に着用することから着込みとも呼ばれる。洋の東西問わず古代から現代まで使用し続けられていて、西洋の物はチェインメイル、または単にメイルと言い、特に衣服の下に着用するものではない。

 欧州においては、古代のケルト人が鎖帷子を最初に考案したとされる。初期の物は、リングの1つ1つが大きく構造も簡単で、胸だけを覆う物だった。ケルトでは、防具を身につけずに白兵戦を行う事が好まれていた為、彼らと戦ったローマにおいて鎖帷子は進化した。ちなみに下級ローマ兵士が着用していた「ロリカ・ハマタ」も、このチェインメイルとほぼ同じものである。

 中世初期になると、ゲルマン人の諸部族に広がり、中でもノルマン人が用いた物は、兜と連結し、頭からひざ以上までを覆う丈の長い物で「ホウバーグ」と呼ばれた。

 十字軍の時代になると、頭部の鎖帷子は切り離されコイフとなり、胴体部も金属加工技術が向上により、細かいリングを使用できたので、手やつま先まで完全に覆う物が登場した。


【自由なコーディネート】
 鎖帷子は、比較的古い時代から発生したため量産体制が整うのも早く、予算にあまり余裕のない兵士たちが、これらの量産品を好んで使用していた。

 また、他の鎧との重ね着が容易であり、上にブリガンダイン(皮革の胸当て)を着用したり、同じチェインメイルを二重に着たりして、更なる防御力の向上を目指す運用も頻繁に行われた。なお、これに板金の甲冑を重ね着したものがプレートアーマーであり、汎用性が高さが伺える。

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